社会保険適用拡大はパートやバイトの収入に影響する?収入面以外でのメリットを知って安心しよう

 

こんにちは!ヴェルサスのブログ担当です。

2024年10月から、パートやアルバイトに大きな影響を与える制度が実施されます。

新たな制度が実施されることに対し、不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、「社会保険適用拡大」についてです。

社会保険適用拡大とは一体何なのか、社会保険適用拡大がパートやアルバイトに与える影響、どのような人が社会保険適用拡大の対象者になるのかなどを詳しく解説していきます。

収入が減ることに不安を感じている方、社会保険に加入するメリットを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

 

■今話題の社会保険適用拡大ってどんなもの?

 

基本的に社会保険は、フルタイムで働く労働者と週や月の所定労働時間・日数がフルタイムの3/4以上ある労働者に適用されています。

しかし、2024年10月からは適用基準が変わり、より多くの労働者が加入対象となります。

これが社会保険適用拡大です。

今話題の社会保険適用拡大ですが、実はこれが初めてではありません。

最初の適用拡大は2016年10月に行われ、それ以降政府は段階的に社会保険適用を拡大してきました。

社会保険の適用拡大が進められている理由は、労働者の社会保障を手厚くするためとされています。

今のままでも十分安心して暮らせているという方は多いかもしれませんが、社会保険適用拡大が実施されることによって、より充実した社会保障を受けられるようになります。

これは、今だけでなく将来的にも安心できる制度であるため、社会保険適用拡大に不安を抱いている方は、影響やメリット、加入者の要件をしっかりと把握するのがおすすめです。

 

 

■社会保険適用拡大はパートやアルバイトにどんな影響を与える?

 

2024年10月から社会保険の適用基準が変わります。

すると、パートやアルバイトはどのような影響を受けるのでしょうか。

 

 

・年収の壁がなくなる

 

社会保険加入対象となれば、年収の壁について考えながら仕事を調整するという手間がなくなります。

これがパートやアルバイトに与える最も大きな影響でしょう。

社会保険に加入するなら、今よりもっと働かなければ損をしてしまうのではないかと不安に思う方は多いかもしれません。

しかし、社会保険に加入することで得られるメリットもあります。

社会保険に加入すれば、社会保険料は会社と折半になります。

ここが国民年金や国民健康保険とは異なる点です。

国民年金や国民健康保険の場合、保険料を全額納付しなければならないため、かなり大きな負担になっていました。

さらに、保障内容が充実するという点もメリットです。

例えば、将来受け取れる年金が増える、障害を持ったときに障害厚生年金が支給される、傷病手当金や出産手当金として賃金の約2/3が支給されるなどです。

国民年金や国民健康保険では、受け取れるのが障害基礎年金のみだったり、傷病手当や出産手当金などの制度がなかったりします。

つまり、一見損をしてしまいそうな働き方であっても、年金納付の負担が減り、受け取れる額が増える・保障が手厚くなることから、安心して働けるというメリットを得られるのです。

今まで、損をしてしまうからと年収の壁を気にしながら働いていた方の中には、「収入以外でもメリットが得られるなら好きなように働きたい」と考えていた方は多いのではないでしょうか。

社会保険適用拡大は、そういった人のニーズに応える効果もあると言えます。

 

 

・収入が減る可能性がある

 

お伝えしたとおり、社会保険への加入は様々なメリットにつながりますが、働き方によっては収入が減る可能性は否めません。

扶養には、税法上の扶養と社会保険上の扶養があり、社会保険に加入したとしても、税法上の扶養は変わらず受けられます。

そのため、社会保険に加入しても「扶養の範囲内で働く」という働き方がなくなるというわけではないのです。

税法上の扶養の範囲内で働くとなると、やはり収入を年間103万円以下に抑えなければなりません。

収入を103万円に抑えて働くことで、扶養者は扶養控除や配偶者控除を受けられます。

しかし、社会保険に加入していながら収入を103万円に抑えると、社会保険料を支払う関係で、年間で24万円以上収入が減ってしまう可能性があります。

一方、今まで国民年金や国民健康保険に加入していた場合は、社会保険への加入によって保険料が安くなるケースも出てくるかもしれません。

 

 

■社会保険適用拡大の対象者はどんな人?

2022年10月からこれまでは、従業員数が101人~500人の企業などで働くパートやアルバイトの中の要件を満たしている人が社会保険の加入対象者とされていました。

2024年10月の社会保険適用拡大では、対象となる企業の従業員数が51人~100人に変更されます。

では、社会保険適用拡大の対象となるのは、どのような人なのでしょうか。

対象となる従業員の要件は、次の通りです。

 

 

・週の所定労働時間が20時間以上30時間未満

 

これは、フルタイム勤務従業員の週の所定労働時間が40時間の職場の条件となります。

契約上の所定労働時間を指すため、残業時間を含まないのがポイントです。

ただし、契約上週の所定労働時間が20時間未満であっても、週20時間以上の労働が2ヶ月続けば、3ヶ月目から加入対象となるため注意が必要です。

 

 

・毎月の所定内賃金が88,000円以上

 

残業代や賞与、通勤手当などは含みません。

基本給と手当を合計した額が88,000円以上なら、社会保険加入対象者となります。

 

・2ヶ月を超える雇用の見込みがある

 

雇用期間が2ヶ月以内と定められている場合は、社会保険に加入できません。

 

 

・学生ではない

 

定時制や通信制の学校に通っている方、学校を休学している方は、社会保険への加入対象者になります。

 

 

 

今回は、2024年10月に行われる社会保険適用拡大についてご紹介しました。

これまでは、従業員が100人以下の企業の場合、年収を130万円以下に抑えて働くことで、社会保険上の扶養と税制上の扶養を受けられていました。

しかし、企業の従業員数が51人~101人に変更されることで、社会保険の加入対象者が増加すると考えられます。

社会保険へ加入すると収入が減ってしまう可能性がありますが、保障が手厚くなるというメリットも得られます。

社会保険加入の対象者となった場合、家族はもちろん会社との話し合いをしっかり行い、どのように働いていくかを検討していく必要があるでしょう。

ヴェルサスでは、社会保険適用拡大の対象となる求人を取り扱っています。

気になる方はぜひチェックしてみてください。