派遣許可されている派遣会社ができることとは?

 

こんにちは!ヴェルサスのブログ担当です。

人材派遣会社にスタッフ登録しようと思ったけど、派遣会社がたくさんあってどこを選んだらいいのかわからないなんて経験がある人もいるでしょう。

そもそも派遣会社とはどういった事業で、どんなことができるのでしょうか?

今回は派遣会社について、詳しく解説していきます。

 

 

■人材派遣会社とは?

 

人材派遣会社とは、人材派遣を主な事業とする会社のことです。

人材派遣は労働者派遣法に「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることを業として行うこと」とされており、労働者が“派遣契約を結ぶ会社”と“実際に働く会社”は別であることが定められています。

これは、会社と直接雇用計画を結ぶ正社員やアルバイトと大きく違う点です。

派遣スタッフは派遣会社と雇用契約を結び、給与の支払いや福利厚生は派遣会社から受けますが、業務に関する指揮命令は派遣先の会社から受けることになります。

正社員やアルバイトとの違いは他にもあります。

それは、人材派遣には契約期間を設けることができ、その期間には上限が定められている点です。

その上限とは次の2つです。

 

○派遣先の会社単位の期間制限

同一の派遣先の会社で人材派遣の受け入れを行うことができる期間は原則3年

 

○派遣スタッフ単位の期間制限

派遣先の会社の同一の組織単位において、同一の派遣スタッフを受け入れることのできる期間は原則3年

 

 

■厚生労働省から許可を得なければならない

 

人材派遣業は誰にでも始められますが、起業には厚生労働省の許可を得る必要があります。

2015年の労働者派遣法の改正により、労働者派遣事業は許可制となりました。

許可を受けずに人材派遣業を行うことはもちろん、無許可で人材派遣業を行う派遣会社から派遣スタッフを受け入れることも禁止されています。

許可を受けるにはいくつかの条件を満たす必要があります。

 

○適正な雇用と管理ができる派遣事業者であること

○派遣スタッフに対して教育と訓練を適正に行うための計画を持っていること

○単独で20平方メートル以上の事務所を構えていること

○一定額以上の資産を保有していること

 

中でも、「一定額以上の資産を保有していること」については、最低でも2,000万円以上の資本金を用意しなければならず、個人の資金のみでまかなうには難しい場合が多いでしょう。

しかも、資本金の他にも事務所を構えるための資金や、備品類を揃える必要もあります。

誰でも始められる人材派遣業ですが、資金調達がネックとなる可能性は十分にあるといえます。

また、申請の際は、用意した事務所について条件を満たす広さがあることを証明できる見取り図も提出しなくてはなりません。

不動産屋へ依頼するなど、事前に準備しておく必要があります。

 

 

■許可が下りるまでは3ヵ月以上かかることも

 

人材派遣業の許可申請を行うと、労働局と厚生労働省が審査を始めます。

提出書類はもちろん、事務所については現地調査を行うなど、かなり厳格な審査となります。

審査の結果、条件が満たされていないと判断されれば許可は下りません。

また、一つの申請に対してかなりの時間を割くため、必要な条件のすべてを満たしていることが確認でき、無事に許可が下りるまでは3ヵ月ほどの時間がかかります。

資金調達や事務所の手配など、準備期間を含めるとかなりの時間がかかることを知っておく必要があるでしょう。

 

 

■資格の取得も必要

 

人材派遣業を始めるには許可が必要ですが、それだけでは起業できません。

許可とは別に、「派遣元責任者」という資格を取得しなければならないのです。

資格取得についてもいくつかの条件があり、中でも「派遣元責任者講習」の受講は必須です。

講習は年に数回しか開催されないため、定員に達してしまうと次回開催まで待たなくてはなりません。

また、受講したからといって必ずしも派遣元責任者に選任されるわけではないので注意が必要です。

選任条件として、3年以上の雇用管理の実務経験も必要になります。

雇用管理の実務経験とは、人事担当者として会社の雇用業務に携わっていたり、別の人材派遣会社などで労務担当者だったりした経験を指します。

 

 

■請負とはどう違うの?

 

人材派遣業と似たような形態に「請負」というものがあります。

請負とは、「仕事の完成を約束としてその仕事の結果に対して報酬を受け取る契約」と民法で定められているもので、請負会社は取引先の会社の“業務の一部”を丸ごと任せてもらえるのです。

そのため、スタッフは請負会社に雇用され、指揮命令も請負会社から受けます。

こういった仕組みが人材派遣と非常に似ているため混同されがちですが、大きな違いもあります。

人材派遣では取引先の会社が派遣スタッフへ指揮命令できましたが、請負ではそのようなことはできません。

また、報酬の対価も違います。

人材派遣は派遣スタッフの“労働”に対して報酬を支払うのに対し、請負は請負業務の“仕事の成果”に対して報酬が発生します。

 

 

■許可を得ていても派遣できない業務はある?

 

人材派遣業の許可を得ていても、法律で派遣が禁止されている業務も存在します。

 

○港湾運送業務

労働者派遣法が制定される以前から、港湾労働法により雇用調整制度が存在した港湾業務については人材派遣が禁止されています。

 

○建設業務

建設現場では工事の請負関係が複雑なため、雇用主が異なる派遣スタッフが加わると責任の所在がさらに複雑となってしまうため人材派遣が禁止されています。

 

○医療業務

患者の命に関わる医療業務は責任や技術を担保する必要があるため、医師や看護師はもちろん、薬剤師や栄養士なども人材派遣が禁止されています。

ただし、産休や育児休業中などによる代替業務や、老人ホームなどの医療機関以外の業務の場合は例外的に可能です。

 

○警備業務

緊急時対応や事故防止措置などを行う警備業務では信頼関係や身元の確認が必要になることから人材派遣が禁止されています。

 

 

■派遣会社に登録する時は許可の有無を確認しよう

 

人材派遣業を行うには厚生労働省による許可が必須です。

許可を得ているかどうかは会社のホームページなどで簡単に確認できるので、派遣登録を検討する際は必ず確認しましょう。

ヴェルサスでは一般労働者派遣事業許可はもちろん、有料職業紹介事業許可も取得しており、安心して登録いただけます。