人材派遣会社と人材紹介会社の違いとは?

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こんにちは!ヴェルサスのブログ担当です。

 

人材派遣会社と人材紹介会社の違いを知っていますか?一見似ているようで実は違う会社であり、仕事を探す場合は、その違いを知っておく必要があります。

 

これから仕事を探す人に向けて、人材紹介会社と人材派遣会社の違いについて詳しく紹介します。

 

人材紹介会社とは?

 

人材紹介会社とは、中途採用の人材と企業とをマッチングさせる事業を行う会社です。エージェントとも呼ばれます。人材紹介業を行う場合は、「有料職業紹介所」として厚生労働大臣から許可を受けなければなりません。

 

人材紹介会社は、人材を採用したい企業と仕事をしたい求職者とを仲立ちします。マッチングを成立させるためのサポートをするのが仕事で、企業と求職者のマッチングを成立させ、雇用契約を結んでもらうことで採用企業から報酬を得ます。

 

成功報酬型が多く、雇用契約が成立した場合に、理論年収の3割程度を紹介手数料として受け取るのが一般的です。手数料を支払うのは採用企業で、求職者側から手数料を受け取ることは職業安定法で原則禁止されています。

 

 

人材紹介には3つの形態があります。

 

〇登録型

一般的な人材紹介サービスは、登録型です。求職者は経歴やスキル、希望条件を登録しておき、求人が発生すると人材紹介会社が登録者のデータベースの中から、採用条件に合致する人材を紹介する仕組みです。

 

〇サーチ型

エグゼクティブサーチと呼ばれていた形態です。求人が発生すると、登録者データベースだけでなくさまざまな手段を使って条件に合致する人材を探す仕組みです。いわゆるヘッドハンティングやスカウトはこれにあたります。

 

〇アウトプレースメント型

社員の再就職・再雇用に向けた支援で、会社が自社の転職希望者の再就職先を人材紹介会社に探してもらう仕組みです。

 

人材派遣会社とは?

 

人材派遣会社とは、労働者派遣事業を行う会社のことです。人材派遣業を行う場合は、厚生労働大臣による許可を得なければなりません。

 

人材派遣会社は、自社が派遣元となり、自社のサービスに登録している人材を他の企業に派遣します。どこかの企業に派遣されることが決まると、その具体的な案件に関してのみ、人材派遣会社と派遣スタッフとの間で雇用契約が結ばれます。

 

つまり、雇用主はあくまで派遣会社であって給与を支払うのも派遣会社ですが、実際に仕事をする際は、派遣スタッフは派遣先企業の指揮命令に従います。ただし、事前に規定されている業務以外を派遣スタッフにさせることはできません。派遣期間が満了すれば、派遣会社と派遣スタッフの雇用契約も終わることになります。

 

派遣スタッフの就労環境などに関しては、「労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)」で定められており、人材派遣会社も派遣先企業もこの法律を守らなければなりません。

 

人材派遣には従来2つの形態がありましたが、2018年9月29日に特定派遣は廃止されました。

 

〇一般派遣(普通派遣、登録型派遣)

一定期間だけ派遣されて就労する、一般的な派遣。

 

〇特定派遣(紹介予定派遣)

将来的に派遣先企業に直接雇用されることを前提にした派遣。派遣スタッフと派遣先企業が合意すれば、社員(正社員・契約社員)として派遣先企業に直接雇用が可能。

 

さらに、2020年4月1日からは改正労働者派遣法が施行されています。この改正の目的は「同一労働同一賃金」を実現し、派遣社員と正社員の賃金格差をなくすことにあります。

 

人材紹介会社と人材派遣会社の違い

 

〇目的が違う

人材紹介サービスは、正社員(契約社員)として働くことを目的としています。一方、人材派遣サービスは、派遣社員として働くのが目的です。

 

〇求職者の業務内容が違う

人材紹介サービスで就職した場合は、正社員(契約社員)としてのすべての業務を行います。人材派遣サービスで派遣された場合は、事前に定められた一定業務しか行いません。

 

〇雇用契約の相手先が違う

人材紹介会社では、雇用契約は求職者と採用企業との間で結ばれ、給与も福利厚生も採用企業に従います。一方、人材派遣会社では、雇用契約は人材派遣会社と派遣スタッフとの間で結ばれ、給与も福利厚生も人材派遣会社に従います。

 

〇サービス内容が違う

人材紹介会社は、企業の採用支援が仕事です。採用支援に関することは広く担当し、求人票の作成や条件に合う人材の選定、面談の調整などを行います。また、求職者が自分ではやりにくい給与等の条件交渉も人材紹介会社が間に立ってやってくれます。

 

一方、人材派遣会社は、企業が依頼する業務ができるスタッフを自社の登録者の中から探して派遣するのが仕事です。派遣スタッフの管理は派遣会社が行い、労働環境の改善など派遣先企業との交渉も人材派遣会社が担当します。

 

つまり、人材紹介会社のサービスは就職が決まるまでであり、人材派遣会社のサービスは派遣先が決まって派遣期間が満了するまで続きます。

 

〇給与体系が違う

人材派遣会社は正社員(契約社員)で働くので、給与は月給制または年俸制が一般的です。一方、人材派遣会社は派遣社員で働くので、時給制が一般的です(月給制のところもあります)。

 

〇企業側のメリットが違う

人材紹介会社のメリットは、採用の手間とコストを省いて社員になる人材を見つけられる点です。条件に適う人材が見つかればすぐに直接雇用することができます。

 

一方、人材派遣会社のメリットは、期間限定の業務が発生した場合に、適切な人材をスピーディに集めることができる点です。教育の手間をかけずに即戦力になる人材をすぐに見つけて働いてもらえるのが大きなメリットです。

 

〇ユーザーニーズが違う

人材紹介サービスは、正社員(契約社員)で働く先を見つけたい人、キャリアアドバイザーのアドバイスを受けながら転職を成功させたい人に向いています。人材派遣サービスは、一定の契約期間だけ集中して働きたい人、家庭の事情で1社で働き続けることができない人に向いています。

 

 

まとめ

 

人材と企業とをつなぐ点は同じでも、人材紹介と人材派遣は似て非なるものです。それぞれに特徴やメリットがあるので、違いをしっかり理解して、仕事探しに活かしましょう。