「人材派遣」と「労働者派遣」の違いは?

 

こんにちは!ヴェルサスのブログ担当です。

仕事やアルバイトを探す時に便利なのが派遣会社への登録です。

しかし、いざ登録しようとすると「人材派遣」や「労働者派遣」など、表記の違いに戸惑ってしまうこともあるでしょう。

「人材派遣」と「労働者派遣」とは何が違うのでしょうか?

今回は「人材派遣」と「労働者派遣」との違いについて解説します。

 

 

■「人材派遣」と「労働者派遣」に違いはある?

 

労働者派遣法には「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることを業として行うこと」と定義されており、法律用語として「人材派遣」という言葉は出てきません。

したがって「人材派遣」と「労働者派遣」は同一の意味を持つ用語と考えて問題ないでしょう。

定義の内容をわかりやすくすると、派遣スタッフは派遣会社に雇用されるため、給与の支払いや福利厚生は派遣会社から受けることになるものの、業務に関する指揮命令は実際に働く会社から受けることになる、となります。

この労働者派遣法は1986年に施行されてから、何度も改正が行われました。

当初は一部の特筆すべき技能を有する13の業務(のちに16業務へ変更)に限定され、原則として1年以上続けることのできない派遣業務でしたが、需要の増加によって派遣市場は大きくなっていきます。

ところがバブルの崩壊とともに状況が変わります。

人件費を削減するため、直接雇用の正社員から労働者派遣に置き換える動きが起き始めたのです。

規制緩和も手伝い、対象となる業務が16から26まで増えました。

労働者派遣の需要はさらに増していき、雇用形態の多様化が進みます。

大きな変化があったのは2012年の法改正です。

日雇い派遣の禁止や無期雇用への転換の機会を設けることなど、規制が強化されます。

 

 

■一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業とは?

 

2015年に改正された労働者派遣法のポイントをみていくにはまず、一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業について理解する必要があります。

それぞれの特徴をご紹介しましょう。

 

○一般労働者派遣事業

派遣事業の主流であり、派遣登録されているスタッフの中から派遣契約の期間だけ雇用契約を結び、他社へ派遣する、いわゆる登録型派遣事業を一般労働者派遣事業といいます。

登録型派遣と呼ばれることもあります。

一般労働者派遣事業を行うには厚生労働大臣の許可が必要でした。

 

○特定労働者派遣事業

特定労働者派遣事業とは、派遣会社で常時雇用している労働者を他社へ派遣することをいいます。

そのため、特定に取引先に対して技術者などを派遣するという形態が多かったようです。

特定労働者派遣事業を行うには厚生労働大臣へ届出をする必要がありました。

 

それぞれの特徴を持った一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事業でしたが、派遣社員の保護を目的に2015年の法改正により一本化されます。

特定労働者派遣事業は2018年9月29日で廃止され、すべての派遣事業は一般労働者派遣事業となります。

新たに派遣事業を始める際はもちろん、特定労働者派遣事業を行っていた派遣会社も許可を受けなくてはなりませんでした。

許可を得ないまま派遣事業を行えば厳しい罰則が科せられます。

 

 

■労働者派遣で禁止されていること

 

労働者派遣では、2つの禁止事項があります。

 

○二重派遣の禁止

二重派遣とは派遣先からさらに派遣されて労働を行う状態をいいます。

派遣スタッフは派遣会社とだけ雇用関係を結んでいるため、本来であれば派遣先から派遣指示を受けることはできません。

こういった二重派遣は派遣スタッフの権利の侵害だけでなく、職業安定法違反ともなるので禁止されています。

 

○専ら派遣の禁止

派遣スタッフを特定の1社または複数社へ限定して派遣することはできません。

特定の会社のみへ派遣を行うことは需給調整の観点から逸れてしまうため、禁止されています。

 

その他にも、労働者派遣法ではさまざまな規制や義務があり、違反するとまずは助言や指導が行われます。

それでも改善されない場合や一定の法令違反をしていた場合は、許可の取り消しや業務停止命令などの行政処分が下されてしまいます。

さらに、労働者派遣では、労働者派遣法だけでなく、労働基準法や労働安全衛生法、育児・介護休業法なども遵守する必要があるので注意が必要です。

 

 

■労働者派遣の種類

 

一本化された労働者派遣ですが、従来の一般労働者派遣事業である登録型派遣の他にも紹介予定派遣というものもあります。

2つの違いについてみてみましょう。

 

○登録型派遣

従来の一般労働者派遣事業である登録型派遣は、「半年」や「1年」など、あらかじめ期間を決めて派遣契約を結ぶ形態です。

派遣を希望する人が派遣会社にスタッフ登録することで案件の紹介を受けることができます。

派遣が決まると契約を結び、就業期間が終われば契約も終了します。

契約期間中の給与の支払いや福利厚生などは派遣会社から受けることになります。

契約期間の上限が設けられており、同一の派遣先で労働ができるのは3年までです。

制限の範囲内であれば、派遣先の会社から契約の延長要請によって契約を更新することも可能です。

 

○紹介予定派遣

紹介予定派遣とは、派遣先の会社で正社員や契約社員になることを予定して、一定期間(最長6ヵ月)の派遣契約を結ぶ形態です。

直接雇用の予定があるとはいえ、派遣期間終了後に会社と派遣スタッフの両者の合意がなければ契約は成立しません。

また、登録型派遣とは違い、紹介予定派遣の場合は派遣契約前に派遣先の会社と派遣スタッフとの面接が可能です。

紹介予定派遣では、会社は雇用する前に労働者のスキルを確認することができ、派遣スタッフは実際の仕事内容や職場環境などを知ることができるので、ミスマッチが起きにくいというメリットがあります。

ただし、無事に雇用契約が成立した際には、会社は派遣会社に対して紹介手数料を支払わなくてはなりません。

この紹介手数料は厚生労働省に届け出いる手数料表に沿った金額となります。

 

 

■労働者派遣ならヴェルサス!

 

人材派遣と労働者派遣、どちらもよく耳にしますが、実はその内容に違いはありません。

どちらも労働者派遣法によって、労働者の権利が保護されています。

労働者派遣法は1986年に施行されてから何度となく改正が行われましたが、その背景には労働現場で不利な立場に立たされやすい派遣労働者の立場向上や保護を目的としたものでした。

ヴェルサスでは労働者派遣法遵守の下にさまざまな仕事を紹介しています。