派遣社員でも家族を扶養に入れられる?制度の概要や適用条件を解説

 

こんにちは!ヴェルサスのブログ担当です。

正社員で養っている配偶者や子などの親族がいる場合、扶養に入れることができます。

世帯の生計を支えている人が派遣社員の場合、家族を扶養に入れられるのか疑問に思っていませんか?

そこで今回は、派遣社員でも家族を扶養に入れられるのかどうかについてご紹介します。

扶養制度の概要や適用条件、メリット、必要な手続きについてわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

 

■扶養制度は派遣社員の家族にも適用される?

 

扶養制度には、社会保険上と税法上の2種類が存在します。

派遣社員の家族は2つの扶養に入ることができるのか、それぞれの制度の概要から解説します。

 

 

・社会保険上の扶養制度

 

社会保険上の扶養制度は、配偶者や親族が一定の条件を満たしていれば、扶養している人が加入する社会保険の被扶養者に入れる制度です。

派遣社員も例外なく、配偶者・親族を扶養に入れることができます。

この扶養制度は、派遣社員が社会保険に加入していなければ適用されません。

派遣社員の場合、労働時間や契約期間などが一定の基準をクリアしていれば、社会保険に加入可能です。

70歳未満の派遣社員は、「1週間の所定労働時間が正社員の3分の4以上」かつ「雇用契約期間が2ヶ月以上」であれば、健康保険と厚生年金に加入できます。

 

 

・税法上の扶養制度

 

税法上の扶養制度は、納税者の年間の所得税に影響を与える制度です。

この扶養制度では、一定の条件を満たした配偶者・親族を養っている納税者の所得税に配偶者控除や扶養控除を適用できます。

派遣社員も一定の収入があれば所得税の納税が必要となるので、条件を満たしていれば所得控除を適用し、節税効果を得られます。

 

 

■派遣社員の家族が扶養に入るための条件

 

派遣社員の配偶者・親族を扶養に入れるためには、条件を満たさなければなりません。

扶養に入る条件は、社会保険上と税法上の制度で少し異なるので注意してください。

 

 

・社会保険上の扶養制度の条件

 

社会保険上の扶養の場合、配偶者・親族の年収が106万円以下、または130万円以下であれば被扶養者になれます。

年収106万円は、勤務先の規模によって健康保険や厚生年金の加入義務が生じるラインです。

配偶者や親族が自分の職場で社会保険に加入する義務が発生すれば、生計を支える派遣社員の扶養に入れません。

年収130万円は、国民健康保険・国民年金の保険料を支払うラインです。

この年収に到達すると配偶者・親族は国民健康保険・国民年金に加入し、自分自身で保険料を支払う必要があり、扶養には入れません。

年収の制限がありますが、60歳以上の方や一定基準以上の障害がある家族は年収180万円までに拡大されています。

なお、兄弟姉妹や叔父などの3親等以内の親族が被扶養者となる場合、同居していないと健康保険の扶養には入れません。

厚生年金の場合、扶養に入れるのは20~60歳の配偶者に限られており、健康保険よりもさらに厳しいです。

 

 

・税法上の制度

 

税制上の扶養の場合、配偶者・親族の合計所得金額が48万円以下(給与所得なら年収103万円以下)であれば、納税者は配偶者控除や扶養控除を適用できます。

48万円とは所得税の基礎控除額の金額であり、年間の所得合計がこの金額を満たせば所得税が発生しません。

給与所得を得ている家族は給与所得控除が適用されるので、その分を考慮して年収103万円以下の制限があります。

所得税に適用される配偶者控除は配偶者、扶養控除は16歳以上の扶養親族がいることが適用条件です。

 

 

■家族を扶養に入れるメリット

 

派遣社員の家族を扶養に入れることには、次の2つのメリットがあります。

 

 

・被扶養者は社会保険料の支払いが不要になる

 

派遣社員の家族が扶養に入るメリットは、被扶養者の社会保険料(国民年金・健康保険・介護保険)の料金を支払う必要がなくなることです。

国民健康保険や国民年金は、国民全員に加入義務があります。

配偶者・親族が働いていて職場の社会保険に加入していれば、毎月の給与から社会保険料が差し引かれ、納税されています。

しかし、国民健康保険や国民年金となると基本的に自分自身で支払わなければなりません。

社会保険は保険料の半分を企業側が支払っていますが、国民健康保険と国民年金は全額を自分で支払うことになるので負担は大きいです。

しかし、扶養に入ることができれば社会保険料の支払いがなくなるので、経済的な負担を軽減できます。

 

 

・扶養する派遣社員の所得税が安くなる

 

派遣社員が支払う所得税が安くなることも扶養に入れる大きなメリットです。

配偶者・親族がたくさん収入を得ていると、本人の所得に所得税が発生します。

派遣社員の所得税に親族の所得税も発生するので、1つの世帯が支払う所得税の総額が高くなってしまうのです。

しかし、扶養に入ることで配偶者控除や扶養控除が適用されれば、総合的に所得税の負担を抑えられます。

対象の扶養家族に人数・年齢に応じて控除額が異なるため、条件次第では大幅な節税効果に期待できるでしょう。

 

 

■派遣社員の家族を扶養に入れるために必要な手続き

 

家族を扶養に入れるためには、自分自身で手続きをしなければなりません。

ここで、社会保険上と税法上の扶養制度を適用するために必要な手続きを見ていきましょう。

 

 

・社会保険上の扶養の適用に必要な手続き

 

被扶養者に該当する親族がいれば、社会保険に加入する派遣社員は事業主に「被扶養者(異動)届を提出してください。

ここで言う事業主とは、派遣社員だと派遣元の事業主が該当します。

 

 

・税法上の扶養の適用に必要な手続き

 

税法上の扶養に該当する場合、派遣社員を雇用する派遣元事業主に「給与所得者の扶養親族等申告書」を提出します。

この書類は、雇用契約が決まった段階で記入書類の一つとして渡されるのが一般的です。

後から提出する場合、会社からもらうか、税務署のホームページからダウンロードして入手するようにしましょう。

 

 

家族を扶養に入れられるのは正社員だけと思われがちですが、生計を支えている派遣社員も条件を満たしていれば扶養制度を活用することが可能です。

扶養制度を活用すれば、社会保険料や所得税の負担を抑えることができます。

ただし、配偶者・親族の収入が限定されてしまうので、世帯収入が増えないという点に注意が必要です。

扶養に入った方が得なのか状況を見極めて、入れるかどうかを検討するようにしましょう。

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扶養制度を活用できるので、派遣のお仕事探しをしたい時はお気軽にご相談ください。