こんにちは!ヴェルサスのブログ担当です。
保険適用拡大と言えば、2024年10月から実施される社会保険適用拡大も大きな話題となりました。
今回話題になっているのは、雇用保険の適用拡大です。
雇用保険は、比較的短い労働時間のパートでも加入できる保険の1つですが、2028年10月1日からは、さらに適用範囲が拡大されます。
週10時間勤務でパートをしている方は、その内容やメリット・デメリットを知っておくと安心です。
今回は、雇用保険適用拡大の内容や実施される目的、メリット・デメリットをご紹介します。
新しい雇用保険の加入要件を満たす方や、雇用保険に加入できる職場を探している方は、ぜひ最後までご覧ください。
■雇用保険の加入条件が変わる!その内容とは
今回、成立された改正雇用保険法で改正された点は複数あります。
中でもパート勤めの方に影響があるのは雇用保険の適用範囲拡大です。
雇用保険への加入が必須となる要件が変更になり、実施されれば約500万人が加入することになると言われています。
では、加入要件が具体的にどのように変わるのか、現在の加入要件と見比べてみましょう。
現在の雇用保険加入要件は、次のとおりです。
・雇用契約が31日以上ある
・所定労働時間が週20時間以上ある
・学生でない
雇用保険の適用範囲拡大が実施されると、「所定労働時間が週20時間以上ある」という要件が、「所定労働時間が週10時間以上ある」に変わります。
つまり、所定労働時間が比較的短いパート勤めの方でも、雇用保険への加入が義務付けられるのです。
■雇用保険の適用拡大が実施される目的
次に、雇用保険の適用拡大が実施される目的を見ていきましょう。
雇用保険の適用拡大が実施される目的としては、主に次の3つが挙げられます。
・リスキリングのため
リスキリングとは、仕事に役立つスキル・知識を獲得することを言います。
近年、賃金の引き上げや少子高齢化によって人材不足が深刻化しています。
人材不足を解消するためには、リスキリングが重要なポイントになるのです。
現在は、週の所定労働時間が20時間でないと雇用保険に加入できないため、失業保険を受給できません。
つまり、新しい職業を目指したくても、仕事を辞めてしまえば、すぐに手あたり次第応募し、採用されたところで働くしかないというのが現状なのです。
雇用保険適用拡大が実施されれば、新しいスキルを身に付けた上で、安心して転職活動に打ち込む余裕が生まれます。
・少子化対策のため
近年、日本は深刻な少子化問題に悩まされています。
子育てや教育にお金がかかるという理由から、子どもを持たない選択をする若い世代が増えているからです。
雇用保険適用拡大には、失業手当や育児休業給付金を受給できる人を増やし、少子化を改善する狙いがあります。
万が一失業しても、一定期間は給付が受けられるという安心感は、子育て世代にとって大きな安心になるでしょう。
育児休業給付金も同様、働けない間に受給できるのは大きなメリットになります。
・非正規雇用労働者を保護するため
厚生労働省が公開している資料によると、非正規雇用労働者(役員を除く)の割合は36.9です。
好きな時間に働きやすい、正規雇用は育児や介護との両立が難しいといった理由で、非正規雇用を選ぶ人が多いようです。
働きやすさで見ればメリットを感じるものの、不安定さや正規雇用との待遇の差などが目立ち、安心できないという欠点があります。
雇用保険適用拡大は、非正規雇用も安心して生活を送れるようにするためのセーフティーネットになるのです。
■雇用保険に加入するとどんなデメリットがある?
雇用保険適用拡大によって、短時間勤務のパートであっても加入しなければならない人が急増します。
時短勤務でパートをしている方にとっては、馴染みのない制度ということで、思わず身構えてしまう方もいるかもしれません。
社会保険適用拡大が話題になったことから、雇用保険に加入することで多額の税金を支払う必要が生じるのではないかと心配する方もいるでしょう。
しかし、雇用保険と社会保険では目的が違うため、支払う金額も大きく異なってきます。
社会保険は健康保険や厚生年金保険を取り扱う保険で、雇用保険は労働保険を取り扱う保険です。
労働保険とは、労働者を保護する、雇用の安定を図ることを目的としているものなので、社会保険に比べて保険料の額は小さいです。
週に10時間働いているパートの方の保険料は、120円前後だと考えてよいでしょう。
毎月の給料から天引きされて手取り額が減少しますが、ほとんどの場合、保険料の支払いに負担を感じることはないと言えます。
少しでも手取り額を増やしたい方にとってはデメリットとなりますが、それ以外のデメリットは特にありません。
■保険料が安いならメリットも少ないの?
雇用保険に加入するメリットは、「求職者給付」「就職促進給付」「教育訓練給付」「雇用継続給付」が受けられることです。
具体的な手当や給付には、馴染み深い「失業手当」や「育児休業給付金」なども挙げられます。
他にも、就業手当や教育訓練支援給付金など、状況に応じて給付が受けられるのです。
雇用保険に加入すれば、新しい仕事に挑戦しやすくなる他、子育てについても前向きに検討できるようになるはずです。
月々120円程度の保険料で、手厚いサポートを利用できると考えれば、非常にコスパがよく、メリットの大きい保険だと言えます。
雇用保険適用拡大に関して不安に思っている方は、安心して実施を待ちましょう。
今回は、2028年10月1日に実施予定の雇用保険適用拡大についてご紹介しました。
雇用保険適用拡大が実施されると、約500万人が加入対象となります。
社会保険と混同され、多額の納税を心配される方もいるかもしれませんが、実際は数百円の保険料で大きなメリットが得られる制度です。
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雇用保険適用拡大を待たずに雇用保険に加入したい、雇用保険に魅力を感じ、転職を考え始めたという方は、ぜひチェックしてみてください。