求人票にある「決算賞与」の意味を詳しく解説!

 

こんにちは!ヴェルサスのブログ担当です。

みなさんは、求人票でたまに見かける「決算賞与」について正しく理解しているでしょうか?

決算賞与と通常のボーナスを混同されている方もいるかもしれませんが、2つには明確な違いがあります。

そこで今回は、決算賞与について解説するとともに、ボーナスとの違いや支給対象者についても詳しく解説していきます。

求人票を見る際は、ぜひ参考にしてみてください。

 

 

■決算賞与とは?

 

まずは、決算賞与とはどのようなものか、入社してから「前回はもらえたのに今回はもらえないの?」とならないように、しっかり理解しておきましょう。

 

決算賞与とは、会社の1年の業績から支給される賞与を指します。

会社によって、「臨時賞与」や「特別賞与」、「年度末手当」など様々な呼び方があり、基本的に決算月である3月~年度末に支給されます。

その年の利益が非常に高く、会社に余裕がある場合に社員へ還元するもので、毎年支給されるというわけではありません。

支給されるかどうかは決算の結果次第で、大きな利益が出た年であれば支給額も増えますが、利益がない年は支給がゼロとなるのが普通です。

また、決算の結果に関係なく決算賞与の支給は行っていなかったり、ボーナスはないものの、決算成績が良かった時に決算賞与のみを支給していたりするなど、その扱いも会社によって異なります。

さらに、決算が良くてもその利益を設備投資や人材確保などへ優先的に充てた場合は支給されない可能性があるなど、会社の裁量によるところも大きいです

 

 

■決算賞与と通常ボーナスの違い

 

続いて、決算賞与と通常ボーナスの具体的な違いについて解説していきます。

 

 

・支給されるタイミング

 

大きな違いは、支給されるタイミングです。

通常ボーナスの場合、あまりに経営状態が悪化しない限りは多くの会社が毎年の夏と冬に支給しています。

それに対し、決算賞与は決算成績が悪ければ支給されず、成績が良く支給されたとしても事業年度末の1回で、臨時ボーナスのようなものと捉えられます。

もし決算賞与が支給される場合は、決算月に書類で「決算賞与○円を○日に支給します」といった通知があるのが一般的です。

 

 

・支給金額

 

ボーナスの支給金額は、「基本給の何ヶ月分」とあらかじめ定められているのが基本です。

ところが、決算賞与はその年の利益によって左右され、ゼロだったり多くもらえたりと金額は不透明です。

また、業績に大きく貢献した人や勤続年数が長い人に、より高額の決算賞与が支給されるなど従業員によって差が出ることもあります。

そのため、決算賞与の支給額を予想するのは難しいですが、余剰利益分を従業員数で割って分配することを想定すると、ボーナスより少ない傾向にあります。

ただし、極端に余剰利益が出た場合はボーナスより多く支給されることも期待できるでしょう。

 

決算賞与は、上記で解説したようにボーナスと違い、確実にもらえるものではないところが注意すべきポイントです。

ボーナスをもらっている人は、大きな買い物をする際に「ボーナス払い」といった支払い方法を選ぶこともあるかもしれませんが、決算賞与をボーナス払いに含むのは困難でしょう。

 

 

■決算賞与は非正規雇用者にも支給される?

 

パートやアルバイトなど非正規雇用者にもボーナスを支給する会社はありますが、決算賞与はもらえるのでしょうか?

 

 

・決算賞与の支給対象

 

大手企業では2020年4月から、中小企業では2021年4月から同じ会社で同じ仕事をしている場合は、雇用形態に関係なく同一賃金を支給することを定めた「同一労働同一賃金ガイドライン」の施行が始まりました。

しかし、実際は未だに対応しきれていないところが多く、賃金の判断は各会社の方針に大きく左右されています。

例えば、毎年余剰利益が出ているような会社であれば正社員だけでなく、非正規雇用者にも決算賞与を支給することが可能です。

ところが、中小企業では正社員に対しても賞与の支給をしていない会社も多く、その場合非正規社員がもらえる可能性は非常に低いと言えます。

「決算賞与あり」としている会社は、支給条件を就業規則や賃金規定で確認できるので、ボーナスなどと合わせて見ておくこと、もし記載がない場合は会社の担当者に支給対象者について確認することが大切です。

同一労働同一賃金ガイドラインができたからといって処罰があるわけではないので、特に中小企業の場合はすぐに対応するのは難しいと考えられます。

今後、少しずつでも雇用形態に関わらず平等な賃金へ是正していくことが求められています。

 

 

・賞与にまつわるトラブル

 

最後に賞与に関して、起きる可能性のあるトラブルと対処法をご紹介します。

例えば、自分と同様の仕事をしている同僚に比べ、明らかに金額が低いといった問題があります。

欠勤が多かった、処罰になる問題行動があったなど明らかな原因がない場合は、会社に説明を求めることが必要です。

そこで納得のいく説明を得られなければ、労働基準監督署または弁護士に相談するという手段もあります。

また、必ず賞与が出ると聞いていたのに支給されないといったトラブルも起きています。

業績で支給される決算賞与の場合は法律違反ではありませんが、契約で「賞与を賃金の一部として支払う」としている場合は、会社がその内容に従い支払う義務があります。

当初の契約と賃金や勤務条件が大きく異なる会社は、ブラック企業の可能性が高いです。

この場合も会社側に説明を求め、説明に納得できなければ労働基準監督署か弁護士に相談することをおすすめします。

 

 

 

今回は、決算賞与について詳しく解説しました。

賞与の有無は、仕事のモチベーションにも大きく関わってくるので、求人票を見る際に特に気にしてみる方も多いでしょう。

そこで、注意しておかなければいけないのが決算賞与とボーナスとの違いです。

求人票に「決算賞与あり」と記載されていても毎年もらえるわけではないこと、会社によって非正規雇用者にも支給されるところと、正社員にしか支給されないところがあることをしっかり理解しておくことが大切です。

 

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