転職でつきまとう「孤独なキャリア」問題について

 

こんにちは!ヴェルサスのブログ担当です。

就職し、仕事をこなすうちに「キャリアアップしたい」「もっと違う仕事をしてみたい」と思うこともあるでしょう。

今はまだ考えられないけど、転職を視野に入れた将来設計をしているという人も珍しくありません。

しかし、キャリアアップや転職について相談できる人を見つけられている人はどれくらいいるでしょうか?

働き方が多様化したことで会社と個人との関わり方は変化しつつあります。

ところが、その変化に応じるためのサポートをしてくれる仕組みは万全とはいえません。

今回は、日本のキャリア問題ともいえる「キャリア孤独」について詳しく解説していきましょう。

 

 

■キャリアに悩んで転職に二の足を踏んでしまう

 

キャリアの悩みと聞くと、「どうキャリアアップしたらいいか」「効率よくキャリアアップするための方法を知りたい」といった悩みかと思いがちですが、実は「キャリアについて相談できる人がいない」という内容であることが多いです。

バブルが崩壊し不景気となった日本では終身雇用制度が機能しなくなり、会社に頼らず個人でキャリアを形成するという“キャリアの自立”が必要との認識が広まりました。

しかし長年、終身雇用と年功序列という制度に守られてきた日本ではキャリアを自分で選択していくという風土がありません。

キャリアやスキルによって就職をするジョブ型採用についても浸透しているとはいえないのが現状です。

転職を考えた時に相談できる相手や周りからのサポートが薄いことも要因として挙げられるでしょう。

日本では個人のキャリア形成において、周囲がサポートするという“共助”が大きく欠けています。

 

 

■日本は個人のキャリア自立後進国

 

日本では新年度に合わせて新卒一括採用を行うのが習慣となっており、今でも多くの企業が導入している採用方法です。

しかし、このような採用をしているのは日本くらいで、アメリカをはじめとした海外では職務に応じて適切なスキルとキャリアを持った人材を適宜採用する「ジョブ型採用」が一般的です。

こういった日本独自の採用方法が、個人のキャリアアップの重要性や意義といった考え方を遠ざけてきた一因です。

戦後、急激な経済発展を遂げ先進国の仲間入りをした日本ですが、個人のキャリア形成に関しては後進国と言わざるを得ません。

海外ではキャリアの選択は自身で行うという考えが就業者に浸透している国が多い一方で、日本はどうなのか、リクルートワークス研究所が調査を行っています。

「全国就業実態パネル調査(2020)」によると、日本の就業者25~64歳の中で仕事に関する自己啓発を行っている人の割合は、わずか30%ほどだったそうです。

さらに「キャリアの展望が開けている」と答えた人は15%にとどまっており、日本における個人のキャリア自立は進んでいないことがうかがえます。

 

 

■日本人の多くが「キャリア孤独」に陥る原因は?

 

キャリアの自立が進まない日本では同時に「キャリアの孤独」も起きています。

アメリカをはじめとしたキャリア自立先進国では就業者に対するキャリアやスキルのアップに対してアドバイスや支援、サポートをする制度が整っており、個人のチャレンジを後押しする仕組みが出来上がっています。

しかし、終身雇用が長く一般的だった日本では、働き方の多様化自体が急激な変化だったこともあり、制度の仕組み化まで意識が行き届いていないのが現状です。

さらに、異動や配置換えといった人事権は企業が持つのが当たり前だったため、周囲という第三者からのサポートの必要性に気づけなかったという側面もあります。

それくらい、終身雇用を採用していた日本の企業は個人に対しキャリアや生活について、就業者とその家族を支えてくれていました。

だからこそ就業者も企業から提案される異動や配置換えに素直に応じ、決められた組織の中で求められる働きをすることで知識と経験を積み重ねてきたのです。

終身雇用により企業と就業者は濃い関係性を築いてきました。

ところが、働き方の多様化により人材の流動化が激しくなり、終身雇用は機能しなくなります。

長く企業に貢献することが必ずしもキャリアアップにつながるとは言い切れなくなってしまいました。

企業が支えていたキャリアについて上司や同僚に相談するという習慣は日本にはありません。

 

 

■キャリア孤独から抜け出すには「共助」が重要

 

キャリア孤独に陥らないためにはどうしたらいいのでしょうか?

それには「共助」が重要となります。

共助とは周りと助け合いながらともに成長していくことです。

キャリア形成の失敗は個人の問題ととらえられることの多い日本ですが、非正規雇用が増加するにつれ、国の動きにも変化が見られ始めました。

再就職支援や学び直しの制度を整えるため、省庁を横断した対策が講じられています。

民間レベルではもっと大きな変化が起きています。

就業形態や業種ジャンル別に支え合うコミュニティが作られたり、学び直しができる勉強会が開催されたり、人材育成のために企業を横断したコミュニティの作成事例もあります。

 

 

■キャリアの自立は周囲からの支えが欠かせない

 

将来を見据えた際に、キャリアやスキルを磨くことはとても重要です。

しかし、キャリアを一人で作ることはできません。

仕事をこなし、あらゆる知識や経験を積むことができたのは企業や上司、同僚が支えてくれたからというのも事実です。

長い間終身雇用が一般的だった日本では、企業によって個人の生活やキャリア形成まで支えられていました。

ところが、働き方の多様化によって人材の流動化が進んだことでその役目を手放そうという動きが高まります。

急激な変化によって個人のキャリア形成は置き去りにされてしまったのです。

そのため、日本でキャリアについて共助できる環境を見つけられている人は30%程度と、とても少ないのが現状です。

国や民間でも動き始めていますが、海外のような浸透度になるまでには今少し時間がかかります。

キャリア孤独に陥らないためにも職場や業種といった垣根を越えて、気軽に情報交換や相談ができる場を探していく必要があるでしょう。

ヴェルサスでは様々な仕事を紹介しています。

転職を希望する場合はぜひお気軽にご相談ください。