こんにちは!ヴェルサスのブログ担当です。
みなさんは、求人に固定残業制と記載されている場合、理解して転職先を選んでいますか?
「残業代が固定?残業をたくさんしても給料には反映されない?」など、何となく想像はできても具体的に説明できる方は少ないでしょう。
こういったお給料や雇用形態について、不明点があっても多くの人が質問を避ける傾向にあります。
固定残業制を理解しておらず、求人トラブルにつながるケースも多いです。
今回は固定残業制について詳しく解説していくので、満足のいく転職活動にするためにもぜひ参考にしてください。
■固定残業代と残業代の違いとは?
固定残業・みなし残業・サービス残業・時間外労働など働いていると残業にまつわる単語が多く、違いが曖昧になりがちです。
ここでは、固定残業代について説明するとともに、その他よく使われる残業との違いについても解説します。
・固定残業代
固定残業代はみなし残業と呼ばれることもあり、毎月支払われる基本給に残業代が含まれたものを言います。
通常、所定労働時間を超えて残業した場合には、残業代が別途支払われますが、固定残業制の場合は、残業代が基本給に含まれているので新たに支払われません。
逆に、もし会社が30時間の残業代を含んだ固定残業制を取り入れていた場合などは、その月に残業を全くしていなくても、30時間分の残業代が含まれた基本給が支払われるとも言えます。
・残業代
ここでいう残業代は、一般的によく使われる残業に対しての説明です。
会社と契約した所定労働時間を超えて働いた分に支払われる代金を指します。
月の時間外労働分が30時間であれば、30時間分の残業代が基本給にプラスして支払われます。
退勤時刻をもとに給与が計算されるので、企業の繁忙期には残業代は必然的に増えると言えるでしょう。
固定残業代制について、もう少し詳しく深掘りしましょう。
残業代が固定されているのは事実ですが、「残業時間がいくら増えても残業代に反映されないのはブラック企業だ」と勘違いしている方も多いです。
もし固定残業制を取り入れている会社で、規定の時間外労働を超えた場合には規定を超えた分だけ残業代が支払われます。
例えば、30時間の残業規定に対し、35時間の残業をした場合には、会社は超過した5時間分の残業代を支払わなければなりません。
規定の残業時間を把握していないと、固定残業代のみで対応されてしまうケースもあるので注意が必要なのです。
求人広告の固定残業代が不明確な場合は、そういったトラブルにつながりやすいと言えます。
■固定残業制のメリットについて知っておこう
今まで固定残業制の会社で働いてこなかった方にとっては、グレーな部分があり、固定残業制について良いイメージを持たれていないのではないでしょうか?
しかし、労働基準法が正しく適用されていれば、労働者側から見て固定残業制はメリットの方が大きいです。
ここでは、固定残業制のメリットをご紹介します。
・残業していなくても給料が保証されている
繁忙期や閑散期に影響されやすい企業では残業時間に差が出てしまうので、毎月の収入がかなり変わってきます。
しかし、固定残業制であればその月の残業が全くなかったとしても、固定残業代が支払われるのです。
毎月残業時間に左右されることなく、確実に安定した収入を受け取れるのはメリットの1つと言えます。
・効率化を図れば、プライベートの時間を増やせる
仕事が遅い人の中には、生活費のためにあえて残業をしている場合もあります。
そういった場面に遭遇すると、優秀な人ほど仕事に対するモチベーションが下がるでしょう。
しかし、固定残業制の場合は、効率良く業務をこなし残業を減らせた場合には、定時に帰宅できるのに残業代も受け取れるというメリットがあります。
仕事を効率化し、やり方を工夫して業務に取り組むということは、労働者自身の仕事に対する熱意や意識も変わるので、会社側のメリットも大きいです。
・既定の固定残業時間を超えた場合、追加で残業代が出る
固定残業制は毎月定額の残業代しか支払わない、という制度ではないので、定められた固定残業時間を超えた場合には、超過分の残業代が支払われます。
一定額の残業代で、長時間の残業を強いられているわけではないのです。
■メリットばかりではない。固定残業制のデメリットとは?
制度上ではメリットばかりで問題ないように思えますが、企業によって固定残業制はデメリットになる場合があります。
どういった点がデメリットなのか押さえておきましょう。
・ブラック企業の場合、追加で残業代が支払われないケースがある
労働基準法では、通常残業時間を超過した分追加で残業代が支払いますが、中には固定残業制を盾に定額の残業代しか支給しない会社もあります。
募集要項の固定残業制に関する記載が曖昧な場合も、ブラック企業である可能性が高いので注意しましょう。
また、残業代ありきという考えから、毎日残業するのは当たり前という雰囲気の会社もあります。
・基本給が低く、時給換算すると安くなる可能性がある
会社が固定残業制を取り入れる背景には、求人広告で給与を高く見せたいという意図が含まれている場合が多いです。
例えば基本給20万と載せるより、月給25万(固定残業代5万円込)と求人を出した方が見映えも良くなります。
しかし、実際に残業代を含めて計算すると残業代別で受け取る会社の方が、固定残業代込みで受け取るよりも収入が高い場合があるのです。
固定残業代を上乗せした給与を支払うために、基本給を低く設定している会社もあり、賞与の計算ではその低い基本給をベースに行われるので注意してください。
思った以上に薄給にならないよう、求人情報にはしっかり目を通しましょう。
■転職でつまずかないために固定残業代のポイントを押さえておく
転職する理由は、人それぞれですが、多くの場合、今よりも良い環境で仕事がしたいはずです。
折角の転職のチャンスを、知識不足で棒に振らないようここでは固定残業代を採用する会社の選別ポイントを4つ紹介します。
・基本給、固定残業代、固定残業時間など必要事項が明示されているか
・固定残業時間を超過した際、追加で残業代は支払われているか
・固定残業代を除いた基本給の部分は最低賃金を上回っているか
・過剰な残業を強要されていないか
上記のポイントを押さえて、労働基準法に違反していないか確認すると良いでしょう。
今回、転職するにあたって押さえておきたい固定残業制の詳しい内容やポイントについて紹介しました。
固定残業制は、労働者にとってメリットの多い制度です。
しかし、仕組みが複雑なこともあり、賃金未払いなどトラブルが多く発生する制度でもあります。
固定残業制のデメリットは事前に情報を確認することでカバーできる範囲が大きいです。
大切な給料なので、制度が複雑でわかりにくいからと会社の言いなりになるのではなく、今回の記事を参考に転職先の企業が安心して働けるかどうか確認しましょう。
転職活動で不安な点や困りごとなどがありましたら、お気軽にヴェルサスまでご連絡ください。