こんにちは!ヴェルサスのブログ担当です。
コロナ渦では、せっかくもらっていた内定が取り消しになったという新卒者が大量に発生する事態となり、社会問題になりました。
このような社会情勢の他にも、何らかの事情によって企業側から内定の取り消しを伝えられるリスクはゼロではありません。
もしも突然、企業から内定の取り消しを伝えられた場合、どうすれば良いのでしょうか?
今回は、内定取り消しが法的に認められるケースと、内定取り消しを撤回させる方法について解説します。
■内定取り消しが法的に認められるケース
内定者または企業側に正当な理由があった場合は、法的に採用内定の取り消しが認められています。
まずは、内定取り消しが認められる主なケースをみていきましょう。
・入社前提条件を満たせなくなった
内定者が入社日までに企業が定める入社前提条件を満たさなくなった時は、内定の取り消しが認められます。
そもそも内定とは、「現在は入社条件を満たしていないものの、入社日までには条件を満たせるようになっており出社できる」という契約を事前に交わすものです。
例えば、入社前提条件が大学卒だったのにも関わらず、大学を卒業できなかった場合は入社前提条件が満たされなくなるため、法的に内定の取り消しが認められます。
・学歴や経歴に詐称があった
学歴や資格の詐称など、履歴書に業務へ支障をきたすほどの大きな詐称があった場合も、内定の取り消しが認められます。
また、病歴や犯罪歴の隠ぺいも同様です。
ただし、病歴に関しては、選考時に病歴はなかったが健康状態を偽っていたという場合でも、比較的早期に回復・復帰ができる状態であれば業務への影響は少ないと判断され、取り消されない可能性もあります。
・傷病により業務に支障が出る
選考時に健康に問題はなくても、内定後に体調を崩したり、事故でケガをしたりして、入社後の業務に支障が出ると予想される場合も、内定の取り消しが認められます。
・企業イメージを低下させた
内定後に内定者がSNSなどで問題発言をして炎上した結果、企業イメージを著しく低下させた場合も内定取り消しになる可能性が高いです。
また、内定者が何らかの事件を起こして逮捕された場合にも、企業イメージに関わるため内定取り消しが認められます。
・企業の業績が著しく悪化した
不況や経営難などで企業の業績が著しく悪化したことにより、厚生労働省が定める「整理解雇」に該当する場合は、合法的に内定の取り消しが可能です。
整理解雇に該当するかどうかは、4つの条件において厳しくチェックされます。
・本当に人員削減の必要があるのか
・解雇回避の努力をしたか
・解雇する人材を合理的に判断したか
・適切な解雇手続きを行ったか
なお、4つの条件を満たした場合でも、内定者が納得しない場合は理解が得られるように丁寧な対応が求められます。
■企業側に内定取り消しを撤回させる方法
企業から内定の取り消しを伝えられた場合は、まず企業にその理由を確認しましょう。
もし、内定取り消しの理由に心当たりがあったり、納得せざるを得ないような理由だったりした時には、別の転職先を探した方が賢明です。
しかし、内定取り消しの理由にどうしても納得がいかない場合は、次のような手段を使って内定取り消しを撤回させることも検討してみてください。
・都道府県労働局に相談する
都道府県労働局では、専門の相談員が面談や電話にて、労働に関する様々な相談を受け付けています。
内定取り消しについても労働局に相談することで、企業や内定者に対して紛争の問題点を指摘してもらえたり、解決の方向性に対してアドバイスや指導を行ってもらえたりします。
企業がアドバイスや指導に従わない場合は、弁護士や社会保険労務士、大学教授といった労働問題の専門家が間に入って、話し合いでの解決を図る「あっせん」という手続きも用意されています。
このような労働局による働きかけで、内定取り消しの撤回につながる可能性があるのです。
・弁護士を立てる
自分で弁護士を立て、企業側に内定取り消しの撤回を求めて交渉するのも選択肢の1つです。
交渉で解決しない場合は、裁判所で労働審判や訴訟の手続きを行って、企業側と争うことも視野に入れなければなりません。
弁護士に依頼して裁判で争うとなると、労働審判では3ヶ月程度、訴訟では1年~2年程度の期間がかかる上、費用も少なく見積もったとしても総額数十万円程度はかかるでしょう。
■一方的な内定取り消しを受けた場合は、別の企業を探すのが得策
納得のいかない理由で、企業から一方的に内定取り消しを伝えられた場合は、上記のように労働局に相談するかまたは弁護士を立てて争うなどして、内定取り消しの撤回を求めることもできます。
しかし、どのような手段でも内定取り消しの撤回を勝ち取るには、多くの時間と費用がかかります。
苦労してその企業に入社したところで、一方的に内定を取り消すような企業で本当に満足のいく仕事ができるかは疑問です。
わざわざお金と労力をかけて、内定取り消しの撤回を行わなくても、別の自身にとって働きやすい企業を見つけた方が良いでしょう。
たとえ内定取り消しの理由が納得のいかないものであったとしても、今後のためにも早めに諦めて別の企業を探してみてください。
今回は、内定の取り消しが法的に認められるケースや、内定取り消しを撤回させる方法を解説しました。
近年の不安定な社会情勢の中、内定取り消しというリスクに身構える求職者も多くいるでしょう。
正当な理由もなく一方的に内定を取り消すことは違法であり、認められるものではありません。
しかし、撤回させるとなるとそれなりに時間や費用がかかるため、もし一方的な内定取り消しを受けた場合は、早々に諦めて他の企業を探すのも良いでしょう。
また、突然内定が取り消されるようなリスクを避けるためには、応募する企業は慎重に見極めることが重要です。
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