同業他社への転職はNG?注意点を詳しく解説

 

こんにちは!ヴェルサスのブログ担当です。

「同業他社への転職禁止」という文言を聞いたことがある方もいるでしょう。

しかし、前職の経験を活かして同業他社でステップアップすることは絶対に認められないものなのでしょうか?

今回は、同業他社への転職は可能か、また転職する場合に注意すべきポイントを解説していきます。

将来転職を考えている方は、会社とトラブルにならないためにもぜひ参考にしてください。

 

 

■同業他社への転職は禁止されている?

 

結論から言うと、同業他社への転職は法律で認められているので問題はありません。

日本国憲法第22条の経済的自由権により「職業選択の自由」が保証されています。

ただし、就業規則に「競合避止義務」という項目があったり、入社時や退社時に競合避止義務規定に関する誓約書へ署名を求められたりして、同意のサインをした場合は注意が必要です。

たとえ法律で職業選択の自由が保障されていても、この競合避止義務規定に違反すると懲戒処分や損害賠償を請求される可能性があります。

 

 

■同業他社への転職の妨げである「競業避止義務」について解説

 

競合避止義務とは、退職後に競合他社に転職することや同じ業界で起業することを禁止する規定です。

自社の技術やノウハウなどの機密情報が流出することにより受ける損害を防ぐのを目的としています。

この競合避止義務を定めている会社では、就業規則にその旨が記載されているか、入社時や退社時に「○年間は同業他社へ転職しない」といった誓約書へのサインを求められます。

しかし、基本的には前職の会社が不利益を被ることがない限り、競合他社へ転職しても問題視されることはほとんどありません。

あくまでも、会社の機密情報を漏らさないために設定された規定であり、法律による職業選択の自由は保障されています。

しかし、実際に元従業員が競合避止義務に違反し、会社の機密情報を漏らしたことで、重大な損害が生じたため裁判になった事例もあります。

機密情報を漏洩したのがその元従業員であること、会社が被害を被った原因が情報を漏洩したことにあると証明された場合は、競合行為の差し止めや損害賠償の請求などがされます。

競合避止義務の期限は退職から1年程度で、3年が経過すると無効になるのが一般的です。

「同業他社へ転職したいけれど訴えられないか不安」という方は、ある程度の期間をおいて行うことをおすすめします。

 

 

■同業他社に転職する3つのメリット

 

同業他社への転職は、これまでの経験を活かせることから様々なメリットあります。

 

 

・転職に有利

 

同業他社に絞って転職活動をする場合、これまでの実績や専門知識をアピールすることができるため、未経験よりも採用に有利になる可能性が高いです。

さらに、一から教育する手間が省ける、育成費を削減できるなど、採用する企業にとってもメリットになります。

 

 

・年収アップの可能性も

 

会社によっては、経験者を優遇していて未経験よりも給料を高く設定していることもあります。

前職の専門知識やスキルに加え、転職後の会社での実力も評価されれば、年収アップも期待できます。

 

 

・即戦力になれる

 

未経験の業種では一からスタートすることになるため覚えることがたくさんあり、多くの場合は慣れるまでに時間がかかります。

同業他社であれば、仕事内容を把握できていることから、転職後も比較的スムーズにスタートを切れるので、会社の即戦力として働くことが可能です。

 

 

■同業他社への転職は4つのポイントに注意

 

続いて、同業他社に転職する際に注意するべき4つのポイントをみていきましょう。

 

 

・退職の報告は早めに

 

退職するとなると、後任を探したり業務の引継ぎをしたりする必要があります。

同業他社への転職に限ったことではありませんが、退職の意思はできるだけ早めに上司に伝えるのがマナーです。

一般的には退職希望日の3ヶ月前、遅くても1ヶ月前までに伝えるのが望ましいとされています。

すでに同業他社への内定が決まっている場合は、会社名を伝えてしまうと引き留められたり、退職願いの受け取りを拒否されたりする可能性があります。

また、競合先に転職することが他の社員に広まり、退社までの期間居づらくなることも考えられるので転職先の社名は伏せておきましょう。

 

 

・誓約書の内容をよく確認する

 

退職する際に契約書へ署名を求められた場合、その内容に競合避止義務に関する記載がないか必ず確認することが大切です。

もし記載があっても署名を断ることは可能ですが、理由を説明せずに拒否すると心証が悪くなります。

同業他社に転職したいことを伝え、競合避止義務の内容についてしっかり話し合い、お互い納得した上で退職した方が後々のトラブルも防げるでしょう。

 

 

・転職する会社のリサーチは念入りに

 

いくら同業他社だからといっても、すぐ即戦力になれるとは限りません。

スムーズに働けると思っていても、入社してみたら前職と仕事のやり方が違っていて思い通りに行かない可能性もあります。

また、転職先が競合する会社のノウハウや機密情報の入手を目的に、同業他社の人材を採用しているケースもあるため注意が必要です。

転職先を探す際は、その会社の情報を念入りにリサーチすることが重要です。

 

 

・円満退社を目指そう

 

同業他社に転職する場合、同じ業界で働いている以上、退職後も転職前の会社の人と関わる可能性も高いことから、特に円満退社が望ましいです。

退職理由はできるだけ前向きな内容にすること、お世話になって感謝していることなどを伝えると上司にも納得してもらいやすくなります。

さらに、できることなら繁忙期を避け、仕事が落ち着いている時期に切り出すなどの配慮があれば理想的です。

 

 

 

今回は、同業他社への転職について解説しました。

職業選択の自由は法律で保障されていて同業他社への転職も可能ですが、その際は「競合避止義務」という規定に注意が必要です。

この規定に違反し、機密情報を漏らせば損害賠償を請求される可能性もあるので、就業規定や契約書の内容はしっかり確認しましょう。

また、これまで勤めた会社を退職する際は、円満退社を目指すのもトラブルを防ぐ上で大切です。

 

ヴェルサスでは、同業他社への転職もサポートしているので、ぜひお気軽にご相談ください。

トラブルを防いで円満に転職を進め、キャリアアップをはかりましょう。