こんにちは!ヴェルサスのブログ担当です。
近年、育児や介護と仕事を両立させたいと考える人が増えてきました。
そのような人の希望を実現し、ワークライフバランスの取れた働き方も生まれています。
それが、短時間正社員制度です。
今回は、短時間正社員制度がいったいどのような制度なのか、社会保険と雇用保険はどうなるのか、どのようなメリット・デメリットがあるのかといった点について解説していきます。
■短時間正社員制度とはどのような制度なのか?
はじめに、短時間正社員制度の概要から解説していきます。
◯短時間正社員制度について
短時間正社員制度は、その名前の通り勤務時間が短い正社員として雇用されるというものです。
正社員というと、1日の勤務時間は8時間、1週間の出勤日は5日が一般的です。
しかし、短時間正社員として採用された場合は、従来の正社員よりも短い勤務時間でありながら、無期労働契約を結ぶという雇用形態になります。
近年は、このような制度を導入する企業も増えつつあります。
この制度が生まれた背景には、育児や介護に追われて退職をしなければいけないという状況になったという人が増えたという理由があるのです。
育児や介護のために仕事を辞めるというのは、簡単にできる決断ではありません。
勤務先にとっても、主力となる戦力が退職してしまうのはかなり大きな損失になってしまう可能性が高いです。
そうなることを防ぐために、短時間正社員制度が生まれ、導入する企業が増えています。
◯短時間正社員制度を利用するための条件
短時間正社員制度を利用するためには、以下の労働条件をクリアする必要があります。
・期限を定めることがない無期労働契約を結ぶ
・フルタイムの正社員と比べた時、1週間の所定労働時間が短くする
・フルタイムの正社員と同じ時間賃率や賞与、退職金を与える
・社会保険を適用とする
◯短時間正社員制度を利用するための条件【働く側】
この制度は、多様性のある働き方を実現するために生まれたものです。
そのため、利用するためには働く側もクリアしなければいけない条件があります。
それが、何らかの理由でフルタイムでの勤務が難しいという条件です。
子育てや介護、体調不良、定年退職後の再雇用などを理由に、短時間正社員制度を利用するケースがあります。
■社会保険と雇用保険はどうなるのか?
短時間正社員には、正社員と同じく社会保険と雇用保険が適用となります。
しかし、それぞれの条件を満たさなければいけないので注意が必要です。
◯社会保険
社会保険には、「通常雇用者の労働時間・労働日数と比較して4分の3以上の時間で勤務している場合に社会保険が適用される」という決まりがあります。
ただし、
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・1年以上の雇用期間が見込まれること
・月額の賃金が8万8,000円以上であること
・学生ではないこと
・厚生年金の被保険者数が常時501人を超える企業もしくは特定適用事業所で働いていること
といった条件をクリアしている場合は、通常雇用者の3/4未満で適用となります。
◯雇用保険
雇用保険は、従業員が失業してしまった時に安定した生活を送ったり、再就職に役立てたりするための援助が目的となっています。
そのため、雇用形態に関係なく条件をクリアしていれば、全ての人に適用されます。
適用となる条件には、
・無期限で雇用されていること
・31日以上の雇用期間があること
・雇用規約に更新規定が盛り込まれていて、31日未満の雇い止めが示されていないこと
・同じ条件で31日以上雇用された実績があること
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・昼間の学生ではないこと
・他の会社で雇用保険に加入していない事
といったものがあります。
ただし上から4つの条件に関しては、いずれかに該当すれば問題ありません。
■短時間正社員制度のメリット・デメリット
短時間正社員制度は、魅力的な制度です。
しかし、必ずしもメリットだけがあるというわけではありません。
最後に、短時間正社員制度のメリットとデメリットについてみていきましょう。
◯メリット
メリットには、短時間の勤務であっても正社員の恩恵を受けられる、幅広い仕事を任せてもらえる、キャリアを蓄積できる、時間的な余裕が生まれるといった点が挙げられます。
短い時間働くのであればパートという選択肢もありますが、パートは職を失ってしまうリスクが高いです。
そのため、不安を抱えながら仕事をしなければいけない可能性がありますが、短時間正社員ならそのような心配も必要ありません。
有給休暇も取得できるため、安定した生活を送りやすくなります。
また、仕事内容も正社員と同等なので、やりがいを感じながら仕事ができるというメリットも得られます。
短時間の勤務なので、育児や介護に時間をさけるという点も大きなメリットです。
◯デメリット
デメリットには、上司や同僚からの理解を得られない可能性がある、フルタイムの正社員よりも努力をしなければいけない、家族の協力してもらわなければいけないといった点が挙げられます。
繁忙期があったり、納期が決まっている仕事をしたりしている場合、周りが忙しくしている最中に退社時間を迎えます。
それに罪悪感を覚えてしまうケースも少なくありません。
短時間正社員制度自体の認知度がまだそこまで高くないため、周りからの理解を得ることが難しいと感じてしまう人は多いです。
また、フルタイムの正社員と同じような仕事内容を任されるため、短い時間で終わらせなければいけないというプレッシャーを感じてしまうことも考えられます。
仕事の進め方に工夫をするなどの努力が必要になる働き方ということになります。
それだけではなく、家族の理解がないと仕事と育児・介護の両立が苦しくなってしまう可能性もないとは言い切れません。
短時間しか仕事をしていないといって、全て1人で抱え込まなければいけないというわけではないのです。
家族とも相談し、協力し合える体制を整えておくようにしましょう。
■子育てや介護と仕事を両立したいなら短時間正社員制度は魅力的
短時間正社員制度は、正社員と同等の待遇で仕事ができるという制度です。
そのため、育児や介護をしながら安定した職を手に入れたいという人に最適です。
どのようなデメリットがあるかということも理解しておけば、働きやすさを感じられるでしょう。
多様な働き方を導入するケースが増えているので、短時間正社員制度を取り入れる企業も増えていくと考えられます。
短時間正社員制度を導入している職場を探しているのであれば、ぜひヴェルサスまでご相談ください。