労働安全衛生法では、「事業者は、空気調和設備を設けている場合は、室の気温が十七度以上二十八度以下及び相対温度が四十パーセント以上七十パーセント以下になるように努めなければならない」と定められています。
しかし、製品が高温でないと加工できない物質を取り扱う作業など、屋内でも気温が28度を超える場合はありますが、そのような作業環境で労働者を就業させる場合、事業者は体調に異変を感じたら、急変する前に水分・塩分の摂取をし、休憩ができるような環境を用意しているはずですので、気分が悪くなったら我慢や遠慮をせずに利用しましょう。
一方、屋外では温度調節ができないわけですから、労働安全衛生法でも作業場の気温は定められていません。
このような場合でも、事業者は水分・塩分の摂取や休憩がとれるような体制をとっているはずですが、屋外ではやはりひとりひとりが注意しなくてはならないタイミングがあるのもしかりです。
昨今では、注意が必要なタイミングでアラートを出してくれるスマートフォンのアプリも有りますが、事前に予想を調べておくのも良いかもしれません。
環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数
http://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_data.php
暑さ指数(WBGT)は、気温・湿度・輻射熱・気流を考慮して算出されます。この指数が「28℃を超えると熱中症患者発生率が急増する」と言われています。
仕事だけでなく、スポーツや屋外レクリエーション前に調べておいて、あらかじめ水分・塩分の摂取の準備をする等に活用できそうです。
最後になりますが、就業中の熱中症は労働災害に認定されます。しかし「就業中に熱中症が発生していた」と認定されないケースも考えられます。
たとえば、「就業中に気分が悪かったのだが、就業後に知人と会う約束をしていたので、そのまま帰宅し、知人とフットサルの最中に倒れた。」このようなケースでは、「就業中に気分が悪かった」のが、熱中症であったと認定されるかどうかは微妙なところだと思われます。
重度の熱中症は、死につながることもあります。「ちょっと気分が悪いだけ」と軽視することなく、体調の保全に努めることが大切です。