06月 はさまれ・巻き込まれ災害の防止

休業4日以上の死傷災害についての発生状況別統計によると、1位が転倒、2位が墜落・転落、3位がはさまれ・巻き込まれとなっています。また、この上位3つを合算すると、休業4日以上の死傷災害全体の50%以上を占めています。
今回は、3位のはさまれ・巻き込まれ災害を取り上げます。

 

 

はさまれ・巻き込まれ災害は、災害の重篤性も高く、障害が残りやすい災害です。
はさまれ・巻き込まれの原因は、次のようなケースが挙げられます。

●機械運転中に手を出してしまった

●安全装置が不十分であった

●決めたことが守れない・守られない

●危険予知が十分ではない

また、はさまれ・巻き込まれの部位としては圧倒的に手が多く、約60%が指・手・腕となっており、特に指が多いことが特徴です。
これは、足の災害は安全靴の使用によって、減少傾向にありますが、指・手・腕には確実な保護具がないこと、そして意識せずに手を置く動作をしてしまう等から、災害の減少を難しくしていると考えられます。

工場の機械の多くは、次のような安全対策が施されています。

●手出しを不可能とする安全カバーを設置している

●清掃等は機械を止めてからするように決められている

●表示・警報で作業者に注意を喚起している

●巻き込まれないように布製の手袋の使用を禁止している

しかし…

●安全カバーを外したままで作業をした

●機械を動かしたままで清掃等をした

●表示・警報無視して作業を続けた

●革の手袋が無かったので、布製の軍手で作業した

このようにせっかくの安全カバーを外したり、決められたルールを守らずに作業をして、はさまれ・巻き込まれ災害が後を絶ちません。

 

はさまれ・巻き込まれ災害において作業ルールを守っていれば、予防できた可能性のある災害が数多く含まれています。作業標準やルールを守ってはさまれ・巻き込まれ災害の被害者とならないようにしましょう。