私達の生活の中で紙は多くのものに使われています。
例えばIT化が進む現代であっても仕事の書類で紙を使うこともありますし、郵送されてくる手紙もそうです。
また、トイレットペーパーやウエットティッシュなどの日用品にも紙素材のものが多く使われています。
私達の生活に欠かせない紙はどのように作られているのでしょうか?
今回はパルプ・製紙工場での仕事内容をご紹介します。
■パルプ・紙はどのように作られる?
そもそもパルプというものは、紙になる前の繊維をパルプと呼びます。
製紙工場の多くは紙だけではなくパルプも作っている場合が多く見られます。
パルプの原料になっているのは木材です。
木材を釜の中で薬剤と一緒に煮ていくとどんどん繊維がバラバラにほぐれていきます。
この繊維を残しよく洗い流して余計なものを取り除いていきます。
そして繊維の漂白や洗浄を行えば白い紙を作るためのパルプが完成するのです。
ただ、このパルプには主に2種類あり、作り方の違いで名前も異なります。
上記で紹介した方法は、化学薬剤を使って溶かしながら作っているので「化学パルプ」と言われており、強度が比較的強いという特徴を持っています。
もう一つのパルプは「機械パルプ」というものです。
機械パルプでは木材に力を加えてすり潰していくことで繊維状にしていく方法で、強度はあまり強くないのですが木材からより多くのパルプを取り出すことができます。
化学パルプはコピー用紙に、機械パルプは新聞紙などによく使われています。
こうやって出来たパルプは、機械で毛羽立たせられ結合しやすい形にされてから繊維を均一に広げる抄紙という作業に入り、プレスロールで圧力をかけて紙を作っていきます。
あとは乾燥させて下塗りし表面を滑らかにしていけば完成です。
■パルプ・製紙工場で必要なスキルは?
パルプ・製紙工場では製造のメインは全て機械が行うので、働く人達は機械のサポートをしていきます。
例えば材料を機械の中に入れたり、出来上がったものを検品していったり、機械のメンテナンスや故障した時の対応などを行っていきます。
そのため何かスキルや資格が必要になるというわけではありません。
ただ、材料を運んだり出荷作業をする際のフォークリフト免許を持っていたり、玉掛技能講習を受けたことがある人、クレーン運転が出来る人は優遇される場合が多いです。
しかし、未経験者でも十分に働ける仕事なので、パルプ・製紙に興味がある方は、ぜひチャレンジしてみましょう。