包丁やナイフなどの刃物は、種類や形状も様々であり、製品が完成するまでに研磨・組立・刀付けなどの加工を経て商品として販売されます。
ナイフ分野では、コレクターの方が注目する専門雑誌が発売されるくらい注目される道具となっています。
包丁は、毎日キッチンで使用する必須アイテムであることから、さびにくく切れ味が長く続く高い品質が求められています。
刃物産業の中でも包丁やナイフは、最先端の技術をいかしながら常に新しい商品を提供するために、注目が集まる職種であることは間違いありません。
そんな包丁・ナイフ工場ではどんな仕事が行われるのか、どんな人が働くのに適しているかご紹介していきます。
■包丁・ナイフ工場の主な仕事内容
刃となる部分は、プレス成型、鍛造、焼入、研磨、刃付け、水研磨の順で加工していきます。
最後の検査ではきちんと切れるのか切れ味のテストを行い、最終工程である梱包・出荷作業へと進みます。
プレス加工された原型を、1000℃以上の窯の中で加熱処理する作業から、一気に-70度以下の窒素ガスで冷却していく作業はどちらも安全考慮のために保護手袋を着用しながら行うことが鉄則です。
ダマスカス模様の刃物は、急速冷凍を行ったあと再度窯に入れて加熱することによって独自の模様が入る伝統技です。
焼成された包丁を平らに修正していく作業は、金槌を使って叩いていく手作業になります。
機械を使わずに経験と感覚によって確かな職人技が求められるでしょう。
包丁やナイフのハンドル部分は、取り付けた時にひずみが出ないように確実に溶接していきます。
柄の部分は特殊機械を使って研磨し、滑らかな手触りにするよう削ります。
刃付けを終えた包丁やナイフは、水研磨や研削、研磨作業をクリアしたものだけが最終工程に進むことができます。
■包丁・ナイフ工場で働くのに向いている人は?
工場では、プレス成型や鍛造、焼入れなど特殊機械を駆使して加工されますが、包丁を修正する作業は手技による工法です。
熟練された技術や感覚を必要とするので、ものづくりに対して強い意識や感性、長期的に学ぶ意欲のある人が望ましいでしょう。
包丁やナイフは刃を扱うので常に危険と隣り合わせになります。
特殊機械での作業は、熱や冷却処理など一歩間違うと大きなケガに発展する可能性があるので、専用手袋や、保護マスクなどを着用します。
刃付けや水研磨は座ってできる作業なので、比較的楽で女性社員も多く働いています。
同じことを繰り返す作業なので、高い集中力とコツコツとこなしていく地道な努力が必要になるでしょう。