■インク製造工場で印刷インクができるまで
インク製造工場では印刷用のインクがつくられています。
印刷インクは印刷素材や版式、後加工の有無、要求特性など様々な種類があります。
そのインクの種類は大きく分けると粘度が高いペースト状と粘度が低い液状の2種類です。
そして、製造ではそれぞれに最適な原材料を選んでつくられているのです。
インク製造では初めに、それぞれの原材料を配合します。
樹脂を溶剤に溶かした透明塗料のワニス製造からはじまり、それを顔料と合成するのです。
この作業では、作業伝票に書かれた計量を正確に配合する必要があるので、繊細な作業になります。
合成したら原材料をムラなく混ぜるために、攪拌機を使ってしっかり混ぜ、ロール作業と言われる分散作業に移るのです。
この作業を行うことでインクの粒子がさらに細かくなり、必要によっては作業を繰り返します。
分散が終わると、インク検査、分散性検査、粘度検査などインクの刷り具合など品質チェックも大切な作業です。
一定を満たしたインクは充填機械を使って缶に充填し、ラベルを張られると出荷作業になります。
■オーダーを受けてインクを生産することもある
インク製造工場では、受注生産によって調色品と呼ばれるインクを製造することがあります。
製造過程は殆ど変わりませんが、調色作業などが必要です。
調色作業は標準職を使用し、オーダーを受けた色に仕上げる作業になります。
調色作業をするためには、CCM作業が必要です。
この作業では指定され色見本をCCMと呼ばれる機会にかけることで、その色の基本配合比率を調べます。
そして、その結果から示された基本配合比率をもとに、インクを少量ずつ合成していくことで、オーダーどおりのインクが完成するのです。
完成するまでテスト印刷を繰り返し、微調整をしながら色を仕上げます。
仕上がった後は指定数数量分の計算や撹拌、テスト印刷や品質チェックをして出荷作業が行われるのです。
■インク製造工場で働くには資格は必要?
インク製造工場では比較的に未経験者でも働くことはできます。
転職や就職を有利にするのであれば、化学の知識や危険物取扱者の資格を持つと良いでしょう。
また、塗料の配合と混合で色をつくりだすために必要な技能を証明するための「塗料調色技能士」という国家資格があります。
塗料や彩色などの基礎知識や実務経験などが必要ですが、技能士資格を持てば転職にも活かせますし、標準色のインクだけではなく調色作業も任せられることもあるでしょう。
以上、インク製造工場の仕事内容でした!