夏と言えば「花火」を思い浮かべる人も多いでしょう。
花火には様々な種類があります。
打ち上げ花火と呼ばれる割物や半割物のほか、子供も楽しめる手持ち花火、ロケット花火など子供から大人まで幅広い世代の方に愛されている夏の風物詩のひとつです。
人々の思い出を作る職業でもある花火師の仕事内容、どんな人が向いているのか紹介していきます。
■花火工場での仕事内容とは
花火を作る人たちのことを「花火師」と呼びますが、正式には「煙火業者」と言います。
夏祭りやイベントでの花火の打ち上げのほか、花火の製造・販売・花火大会の企画など様々なことを行います。
花火の製造は、手作業で行われ集中力と根気のいる作業です。
そんな作業工程を見ていきましょう。
①火薬の配合
様々な原料を組み合わせて火薬を配合します。
花火の種類によって配合が変わり、工場によって違いがあります。
②星掛け
「星」と呼ばれる光の粒を作っていきます。
回転窯を使用して、火薬と水を混ぜ合わせ大きくしていきます。
③日乾
星を日の光に当てて乾燥させます。
星掛けと日乾を繰り返し必要な大きさに整える作業です。
④玉込め
半球型の玉皮に星と導火線を並べていく作業です。
この並べ方によって花火のデザインが変わります。
⑤薬詰め
打ちあがった際に空の上で割れるように火薬を詰めていきます。
詰め終わったら火薬がこぼれないよう、半球を合わせて丸型にします。
⑥玉貼り
花火が空で綺麗に丸く開くよう球体に専用の紙をいくつも貼り合わせていきます。
シワができないように貼らなくてはいけないので、器用さや丁寧さが求められる作業です。
⑦日乾
完成した花火は天日干しを行い、湿気がなくなるまで乾燥させて完成します。
工場では火気厳禁なことはもちろん、静電気にも注意しなければいけません。
時々爆発事故がニュースになりますが、危険な職場ということは覚えておいた方がいいでしょう。
■花火工場で働くためには
製造でもそうですが、花火大会の会場でも「安全」が1番重要です。
観客のことを考えて現場ではミーティングが欠かせないので、コミュニケーション能力も必要となりますし、危機管理能力も大切です。
製造では集中力があり、手先の器用さも求められます。
美しい花火を作り出すデザイン能力や向上力も必要となるでしょう。
必要な資格は、花火を打ち上げる仕事をしたいのであれば「煙火打揚従事者手帳」という日本煙火協会が発行する手帳が必要となります。
協会が指定する業者で働き、年1回の講習に参加すれば取得できます。
「火薬類取扱保安責任者」の資格を持っていると火薬の保管や使用に対して指導することができるので有利になる場合もあるでしょう。
花火師の求人は世に出ることが少ないので、自分で探して直接交渉することも必要になるでしょうが、花火大会などのアルバイトから正社員になる人も多いです。