年金受給者がパートをする場合の注意点!損をしない収入額を解説

 

こんにちは!ヴェルサスのブログ担当です。

年金を受け取っている方の中には、パートをして収入を得ている方もいるはずです。

「働けるうちは働いて稼ぎたい」「余裕のある生活のために働きたい」といった思いがあるのでしょう。

しかし、収入が一定を超えると年金の一部がもらえなくなってしまいます。

損をしないためにも、年金が減額されないパート収入の上限を解説していきます。

パート収入を得ている年金受給者や今後パートを始めようと考えている高齢者の方は、ぜひ参考にしてください。

 

 

■年金受給者が注意すべき「在職老齢年金制度」とは?

 

年金をもらっている方がパートをする際には、「在職老齢年金制度」に注意してください。

60歳以降、厚生年金に加入して働きながら受け取る老齢厚生年金は、在職老齢年金と呼ばれます。

賃金と老齢厚生年金の合計が一定以上になると、老齢厚生年金の一部もしくは全額支給停止となる制度が在職老齢年金制度です。

そのため、年金受給者がパートをする場合、収入額を調整しなければ厚生年金の受取額が少なくなる可能性があります。

支給停止を避けるためにも、損をしない額を把握しておくことが大切です。

 

 

■年金受給者が損をしないパート収入の上限

 

年金受給者は、支給停止調整変更額を理解してパート収入の調整を行いましょう。

支給停止調整変更額は、在職老齢年金制度の基準額です。

2024年の支給停止調整変更額をみていきましょう。

 

 

【合計50万円まで】

 

年金受給者の支給停止調整変更額は50万円です。

そのため、厚生年金とパートの収入合計額が50万円以下であれば、厚生年金は満額受け取れます。

年金受給額を減らしたくないなら、50万円から厚生年金の受給月額を引いた金額以内でパートができるよう調整しなければいけません。

例えば、厚生年金の月額が15万円だったケースでは、「50万円-15万円」となるため、パート収入は35万円以内にする必要があります。

少しでも超えてしまえば厚生年金の受給額が調整され、支給額が少なくなるので注意しましょう。

 

 

【支給停止調整変更額は変更されるケースがある】

 

支給停止調整変更額は、毎年4月に見直しがあります。

2022年3月までは60歳から65歳未満の年金受給者は28万円、65歳以上は47万円と年齢ごとに基準額に違いがありました。

しかし、2022年4月からは条件が緩和されて60歳から65歳未満の年金受給者も基準額が47万円に引き上げられました。

また、2023年の支給停止額は48万円です。

2024年には、物価の上昇率などによって年金額が前年度から2.7%引き上げられました。

そのため、支給停止調整額も48万円から50万円にアップしています。

支給停止調整額は、年によって異なるのでパートをしている方は注意して、損をしないよう調整をしながら働く必要があります。

 

 

【厚生年金に加入していない方は対象外】

 

在職老齢年金は、厚生年金加入者が対象の制度です。

そのため、厚生年金に未加入の方は対象外となります。

 

・1週間の所定労働時間、1ヶ月の所定労働時間の両方を正社員の3/4以下に抑える

・2ヶ月を超える雇用契約を結ばない

・厚生年金加入義務のない業種、個人事業主のもとで働く

 

上記いずれかの条件を満たして入れば、厚生年金に加入せずに働けます。

 

 

■年金支給月額の計算方法とは?

 

年金をもらっている高齢者は、パート収入が多いと損をする可能性があります。

支給停止変更額以上になった際には、厚生年金の支給が一部停止されるかもしれません。

年金支給月額が下がるので、損失となるでしょう。

年金支給月額の計算方法は以下の通りです。

 

 

【基本月給・総報酬月額相当額の合計が50万円以下のケース】

 

厚生年金の基本月額が16万円、パート収入となる総報酬月額相当額が20万円だったケースでは、「16万円+20万円=36万円」なので、合計は50万円以下となります。

支給停止変更額を下回る金額なので、厚生年金は全額支給です。

 

 

【基本月額・総報酬月額相当額の合計が50万円以上のケース】

 

基本月額・総報酬月額相当額の合計が50万円以上であれば、以下の計算式で年金額を算出できます。

 

「基本月額-(総報酬月額相当額+基本月額-50万円)÷2=年金支給月額」

 

例えば、年金の基本月額が21万円、パート収入となる総報酬月額相当額が31万円だった際、計算式に当てはめると以下のようになります。

 

「21万円-(31万円+20万円-50万円)÷2=20.5万円」

 

そのため、厚生年金の月額支給は20万5,000円となります。

 

 

■年金受給者がパートで働いている際の確定申告について

 

年金受給者でも原則確定申告は必要です。

しかし、年金受給者には「確定申告不要制度」があります。

 

  • 公的年金の収入金額の合計が400万円以下かつ源泉徴収の対象になっている
  • 公的年金以外の所得金額合計が20万円以下である

 

上記の①と②に当てはまっている場合は、確定申告は不要です。

しかし、年金の支給額が400万円以下でもパートで年間20万円を超える収入を得ていれば確定申告は必要となります。

また、上記以外でも住宅ローンを返済している方や年間で10万円以上の医療費を支払った方、災害や盗難で資産に損害を受けた方は、確定申告をすると所得税の還付を受けられるケースがあるので、申請書を提出しましょう。

確定申告の必要性の有無は、税務署や国税局の電話相談センターで確認可能です。

不明な点があれば相談してみましょう。

 

 

年金をもらいながらパートとして働く場合、在職老齢年金制度の対象となれば厚生年金の支給が一部、もしくは全額停止となる可能性があります。

お金を稼ぐためにパートを始めたにも関わらず、支給停止となれば大きく損をしてしまいます。

年金受給者であれば、在職老齢年金制度や支給停止調整変更額の仕組みを理解することが大切です。

また、確定申告についても注意が必要です。

年金受給者には確定申告不要制度がありますが、パートをしている方は収入の額によって申請が必要なケースもあります。

所得税の還付を受けるためにも内容を理解して損をしないよう注意してください。

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