医薬品ができるまでの流れ

 

こんにちは!ヴェルサスのブログ担当です。
新しい医薬品が作られるまでには、多くの時間が使われていて、多くの人が関わっています。
今回は、身近にある医薬品が作られるまでの流れについてご紹介します。
医薬品が完成するための工程に興味がある人は、ぜひ目を通してみてください。

 

■薬作りの流れについて

 

ではさっそく、医薬品がどのような流れで作られるのかご紹介していきます。

 

どのよう医薬品を作るか考える

 

まずは、医薬品のタネがどこかにないか考えます。
医薬品のタネを見つけるためには、病気に関する調査を行い、候補を絞っていきます。
医薬品を開発する際には、どのような病気・症状で悩んでいる患者さんがいるのか調査を行わなければスタートラインにも立てません。
調査の中でどのような治療法が必要か見極めていくのです。
そして、病気のメカニズムを研究し、どのような成分が効果を発揮しそうか考えていきます。
医薬品のタネの候補は、非常にたくさんあるため、その中から絞っていきます。
検索ロボットやデータなどを駆使し、100万種類以上の中から300種類くらいまで一気に絞るのは簡単なことではありませんが、医薬品作りには欠かせない工程です。
絞られた候補に優先順位をつけ、一番優れたものを使って医薬品の開発をすすめていきます。

 

医薬品のタネを育て始める

 

医薬品のタネが見つかって候補から絞ったら、育て始めます。
薬効薬理試験という薬の効果を確かめるための試験を行い、どのくらいの量で効果を発揮するのか、どのように使うのがベストなのかといった疑問を1つずつ潰していきます。
様々な可能性を視野に入れ、条件や環境を変えた中での試験も実施します。
その他にも、安全性試験や物性試験、薬物動態試験といった試験を行い、患者さんが安心して使えるような医薬品を作っていきます。

 

医薬品として仕上げていく

 

医薬品のタネを育て、様々な試験にクリアすると医薬品として仕上げていく段階に突入します。
医薬品は特定の患者さんだけに届けるものではなく、同じ病気や症状で苦しんでいる多くの患者さんに届けなければいけません。
そのため、多くの患者さんに届けられるように大量生産する必要があります。
試験管で実験をしていた時と工場で大量生産した時に、同じ品質の医薬品を作れなければ意味がありません。
品質を維持するためには、少しずつ作る量を増やしていき、効率良く作れる条件を検証します。
作り方が固まったら、同じ品質の医薬品を繰り返し作れるかどうか検討します。
また、医薬品を患者さんが安心して使えるように評価も重要な作業です。
この評価では、正しく作られているか、不純物が入っていないか、安定性や安全性は確保できているかといった項目をチェックします。
それだけではなく、どこで誰が検査を行っても同じ結果になるようにするために検査方法を決めていきます。

 

最適な形に作り上げる

 

医薬品は、錠剤やカプセル、顆粒、軟膏、注射など患者さんにとって最適な形がそれぞれにあります。
医薬品として安定した状態を保てる形にすることももちろん大切ですが、取り入れやすさも重要なポイントになります。
薬の特性などを考慮し、最適な形に作り上げていくのです。
完成した薬は様々な申請を通り、患者さんの手元に届けられていきます。

 

■治験はどんなことをする?

 

新しい医薬品が作られる段階で治験と呼ばれる試験が行われます。
治験は、人間の体を使った臨床実験のことです。
続いては、医薬品を作るために欠かせない治験について解説していきます。

 

治験とはどのようなことをするのか?

 

治験は、まず健康な成人男女を対象に開発している医薬品と投与し、安全性などを確認します。
薬がどのような形で吸収、排泄されていくのかを確認するためです。

健康な成人男女での治験が終わったら、少人数の患者さんに対して医薬品を投与します。
投与量や投与期間、投与間隔を変えながら試していき、効き目や副作用を確認します。
その中で最適だと判断される使い方はどれなのか、具体的に考察していく段階です。

そして最後に、多数の患者さんに対して医薬品を投与し、治験に近い効果や安全性が期待できるのか確認します。
既存の医薬品と比較して効き目が上回っているのか、副作用が少ないかなど優れたポイントがあることを検証していきます。

 

治験に参加する人のメリット

 

治験に参加する人が得られるメリットには、無料で詳しい健康診断を受けられる、負担軽減費が提供される、次世代に新しい医薬品を残すという社会個意見ができるといったものが挙げられます。
治験中には、定期的に詳しい検査や診察を受けられるため、普段はなかなか病院へ行く機会がないという人も健康状態を把握できます。

また、治験中の入院や通院などにかかる費用は、基準に従って支払われるので金銭的な負担もそこまで大きくありません。
社会貢献ができるというメリットも治験ならではのメリットの1つです。

 

治験に参加するデメリット

 

治験に参加するデメリットには、健康な人は大きなメリットを感じられない、副作用が出る可能性がある、ある程度負担が必要になるといったものが挙げられます。
治験は特定の疾患に効果がある医薬品を投与し、結果を確かめるものです。
そのため、健康な人にとっては大きなメリットが感じられない可能性があります。
それだけではなく、治験では医薬品を投与するため、何らかの副作用が出る可能性もゼロではありません。

副作用が出た場合は、医師が適切な処置をしてくれますが、不安に感じてしまう人にはあまり向いていません。
治験に参加すると負担軽減費が支払われますが、入院や通院をするといった負担を負わなければいけないことがデメリットだと感じてしまう人も中にはいます。

 

■医薬品は多くの人が関わって完成する

 

新しく医薬品が開発されるまでには、多くの人が関わっています。
どのよう医薬品を作るか考えることから始まり、最適な形に作り上げるまでに様々な人の手が加わっていることを知っていただけたはずです。
治験で医薬品を試している人もいるため、私たちが普段使っている医薬品にはかなり多くの人が関わっていることを覚えておいてください。
中には治験に興味がある人もいると思いますが、そのような人は求人を探してみてください。